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2010年6月13日日曜日

愛知県(名古屋市内を除く)の教会遍路紀行

1:尾西教会
昨年(2009)年、名古屋市内の教会巡りを完了、今年(2010)年5月1~2日の2日間で、名古屋市内を除く愛知県の教会巡りを予定したのだが、初日に足を痛め、残念ながら2日目を中止してしまった。その後、足の具合は回復していたのだが、所要があったり、天候に恵まれなかったりで、延び延びになっていたが、漸く5月30日(日)にチャンスが巡ってきたので、残していた続きにチャレンジした。
5月1日(日)5時50分に家を出て、名鉄「前後駅」駐車場へ車を止め、今回は名鉄電車の1日乗り降り自由な「1DAYフリー切符(3000円)」を購入して、改札を抜ける。自販機でお茶を求めてから、ホームへ降りる。今回はゴールデンウィークではないので、電車を待つ客も2人程度。
上空は晴れているが、所々に積乱雲があるものの、雨の心配はなさそうである。6:16発の「岐阜」行き急行に乗車、ガラガラである。最前列の席へ着座。
早朝の線路を電車は快走して行く。「鳴海」「堀田」「神宮前」「金山」「名鉄名古屋」「栄生」「須ヶ口」「新清洲」「国府宮」と停まって、6:54、高架上の「名鉄一宮」へ到着。この間、乗降客はあるものの、空席の多い状態である。
階段を降り、改札を出て西出口へ向かう。バスセンターの「2番のりば」には、既に「起(おこし)」行きのバスが待機しているので、整理券を取って、乗車するが、乗客も運転手も居ない。バスの最前部の席へ着座し、両替機で釣銭不要のため小銭を用意する。発車時刻の7:04分近くなっても、運転手が来ないので、いささか不安になり、前部ドアから覗くと、運転手が連絡用の電話を終わったところで「すみません。今発車します。」と言いながら、乗り込んできた。定刻に発車したバスは市街地にしては、やや狭い路を進んでいくが、乗降客は少ない。数か所の停留所で、時間調整のための停車をする。この路は昭和28(1953)年までは「起線」と云う路面電車が走っていた路である。目的の「一宮市役所尾西庁舎」へ7:14に到着、280円支払って降りる。
地図で予想したコースを進んだが、想像よりいささか風景が異なる。狭い田圃に大きな白鷺が歩きかけた片足を上げたまま、怪訝そうにこちらを見ている。かなり行き過ぎたようで、それらしい建物が見当たらないので、散歩中風情の年配男性に「この辺りにカトリックの教会がある筈なんですが、ご存知ないですか?」と尋ねると、それらしい方向を教えてくれた。なお、この時、「教会は2つあるが、カトリックとやらはこっちの方だと思う。」と、概ね合っていそうな説明に助かった。そのヒントに従って進むと、なるほど、「カトリック尾西教会」の立て看板があった。
前日、一宮教会の寺尾神父様に電話で確認し、「尾西教会は施錠されているし、民家のような教会ですよ。」と言われていたので、覚悟はしていたが、なるほど案内看板がなければ、判り難い。民家に囲まれているので、教会外観を撮影するのも難しい。なんとか撮影を終え、お御堂入口へ来たが、施錠されている。入口の前で、祈りを捧げてから、バス停へ戻る。バス停から教会への最短コースを把握できたので、後日自作の案内書を訂正する事にする。

2:一宮教会
「一宮市役所尾西庁舎」バス停へ戻ると、予定より前の7:33発「名鉄一宮駅」行きに乗る事ができた。半分ほどの乗客が乗っていたが、最前席が空いていたので着座。7:45に一宮駅に到着。280円払って降りる。
駅舎に入り、東口へ抜ける。地図帳に記載されている信号名が表示されていない信号が比較的多いので目安にする信号がいくつ目の信号か、等をメモしておく必要性も感じた。事前調査メモを参考に600m程の「音羽1北」信号交差点を過ぎて直ぐの処に「カトリック一宮教会」の看板があり、かなり大きな教会建屋が現れる。
ミサが8時からと聞いていたので、とにかくお御堂へ飛び込み、お御堂後方で、静かに心の準備をしておられたこれから司式される若い神父様に、「寺尾神父様はどこかに居られますか?」とお訊ねすると、お御堂の外の廊下に案内され、「あそこに立っている方がそうです。」と教えて下さった。
まだ私服の寺尾神父様が捕まったので、尾西教会と一宮教会の署名をお願いした。寺尾神父様は野村司教のご母堂様ご葬儀の折、港教会へ向かう「あおなみ鉄道」でご一緒して以来の再会である。
ごミサは先程の新しい若い神父様が立てられる由で、聖体拝領は8時半頃でしょうとの事。次のスケジュールの事もあるので、間に合うように拝領できれば良いがと思いながらミサに与かる。
なお、聖堂内の写真撮影はミサ開始前に済ませておいた。署名を受けた足で、お御堂を出て、教会前の広い車道を横切り、対岸から教会全容の写真を撮って、再びお御堂へ入る。なんとかミサ開始前にお御堂に戻れた。
今日は「三位一体の主日」の由で、最近鳴海教会の勉強会でぺルソナの話題が頻繁に出てきて、「聖霊の実感や意味が判らない」と云っては矢切庵主こと石脇神父様を困らせているので、若い神父様がどんな説教をされるのかと興味を持って聴いていたところ、「証明は難しいし、聖霊と云うのは判り難いものです。」と話されたので、不謹慎にも可笑しかった。献金はミサ前に留守の尾西教会分とともに、献金袋に入れさせてもらった。
さて、スケジュール的に、退出する限界の時間を8:45としてあったのだが、ご聖体拝領が始まったのがまさに8:45であった。厚かましいと思ったが、割り込ませて頂いて、寺尾神父様から拝領し、そのままお御堂を出る。実は、のどの渇いた状態で拝領したため、口の中上部にご聖体が張り付いて、まさかお茶で流し込むわけにもいかず、舌で撫でるようにして、無くなるのを待ちながら、駅への道を急いだ。
お御堂で「主梼文」1回、「天使祝詞」10回のノルマにしていた祈りを捧げられなかったので、駅への道中で唱えた。所々小走りしながら、急いだお陰で、トイレを済ませてホームに上がった時、予定の前の8:59発特急豊橋行きに乗れた。

3:稲沢教会
特急はノンストップで9:03に「国府宮」へ到着。地下道を通って、改札を出ると、鉄道線路沿いの道の方へ階段を昇り、踏切まで来ると、遮断機が下り、警報機が「チンチンチンチン・・・」と、けたたましく鳴り始めた。警報機の真下で待つと、改めて喧しいと感ずる。周辺の住民等はさぞかし煩いだろうに、慣れるものなのかもしれない等と想像した。先程降りた特急を待ち合わせていた普通電車が発車し、ゆっくりと通り去って、踏切が上がる。
約400m程の処に裸祭りで有名な「国府宮」神社があり、その先の川縁の岸に沿う道を斜めに進むと左手に「稲沢教会」があった。教会全容をカメラに納め様としたのだが、周辺住宅等に妨げられてカメラを構える方向が1ヶ所しかない。しかも丁度太陽に向かってレンズを向ける事になり、とりあえずシャッターを押しておいたが、自信は無い。(後刻、確認したところ、真っ白で全容写真は撮れなかった。))
教会入口を入り、スリッパに履き替え、引き戸を開けてお御堂へ入るが、ミサが始まっており、お説教の最中である。椅子に座って説教を聴く信者の傍をすり抜けて、後方に行き、不躾にも勝手に祭壇の方に向かってシャッターを押す。さらに、一人の女性信者に、代筆をお願いしたが、「会長にお願いします。」と2列前の男性に署名帳を渡されたのだが、その男性は署名帳を傍らに置いて説教に耳を傾けられた。そこで、女性に再度、「時間が無いので、ご無理ならば、署名頂かなくて結構ですから、お返し頂きたいのですが・・・」と頼むと、男性にその旨伝えて呉れ、その男性に後方の部屋へ案内された。事情を話すと、「自分は司祭ではないので・・・」と逡巡しながらサインして頂いた。実に調子の悪い仕儀となってしまった。急いで、件の女性に献金箱へ入れて頂くべくお願いし、これから向かう津島教会(稲沢教会からの巡回教会のため、訪問時は施錠されている。)分と合わせて渡して、お御堂を退出。お御堂全容撮影に再チャレンジしてから、来た道を「国府宮」駅へ急ぐ。焦ったが、予定の9:38発須ヶ口行き普通電車に間に合った。

4:津島教会
電車は、「奥田」「大里」「新清洲」「丸の内」と各駅に停まり「須ヶ口」へ9:48に到着、階段を昇り、弥富方面行きホームへ移動、既に入線している津島線の9:51発佐屋行き普通電車に乗車。「甚目寺」「七宝」「木田」「青塚」「勝幡」「藤波」と各駅に停車し、10:07「津島」へ定刻到着。津島線沿線には、まだ田園が広がる風景が残っており、なんとなくホッとした気分になる。
階段を下り、改札を通って、駅前へ出た。地図では駅前右前方にある筈の「藤波町1」信号が見当たらず、ガードを潜って駅裏を確認するも、矢張り見当たらない。やむを得ず、駐車中のタクシーの運転手に尋ねると、駅前中央寄り奥に見える信号がそれだと教えてくれる。
その後、自作案内書に基づき、進み、川べりの道を右折の筈だったが、人が一人通れるか否かのあぜ道のような狭い道に不安ながら進んで見るが、見当たらない。たまたま、住民らしいのが4~5人固まって雑談していたので、「この辺にカトリックの教会がありませんか」と尋ねると、「そこの細い道を行けば、右手にあるよ。」との事。自作案内書は間違っていなかったのである。川縁の狭い道を進むと、「津島教会」があったが、小さな平屋木造建て民家のような建物で側面に大きな十字架の印が書かれているのみである。
今来た細い道の後は川なので、全容をカメラに納めるのは無理である。絵にならないアングルで証拠写真を残して、引き返す事にした。
「津島駅」出発時のもたつきと教会近辺での探索で時間を使い、帰路は小走りを交えながら急ぎ足で駅へ向かう。
祈りは矢張り帰路の道で唱える。
来る時の道より近道の筈と見当を付け、往きに道を尋ねたタクシーの傍らからガードを潜って「津島駅」へ戻る。動かない足で、階段に躓かぬ様に用心しつつ懸命に急いだが、電車の予定時間より1分程遅れてしまった。「乗り遅れたと半分諦めて、ホームへ辿り着くと、なんと幸運なことか、電車が数分遅れており、ギリギリ間に合い、10:42発須ヶ口行き普通電車に乗車できた。
来る時の逆コースで各駅に停車して、「須ヶ口」へ到着。本線の11:05発豊橋行き急行に乗り換えたが、本日唯一車内が込み合い着座できなかった。電車はノンストップで「栄生」へ11:10に到着。
さらに「栄生」で犬山線の11:13発新可児行き準急に乗り換える。庄内川に架かる枇杷島橋を渡るのは本日3度目になる。「上小田井」「西春」「岩倉」「石仏」「布袋」に停まり、11:33、「江南」に到着。
改札を出て、バスターミナルの2番のりばから、11:39発江南団地行き名鉄バスに乗車する。整理券をとり、着座する前に両替機で小銭に交換する。釣銭不要を求められるのは結構煩わしい。

5:江南教会
バスの前面左上に次の停留所の案内盤があり、乗車時に取った整理券の番号による運賃が表示される。降りたい停留所の案内が出た時に、窓際にあるボタンを押して知らせると、「次停まります」の表示がされる。名鉄バスは全て同じシステムである。
目的地の「藤町(ふじまち)」へ11:44に到着。整理券と運賃180円を集金箱へ投入すると、請求額と投入金額が表示され、確認がなされる。
さて、ここで、自作案内書に重大なミスがあり、とんでもないハプニングが待ち受けていた。「バス停直後の道を右折(東へ)」に従い、探すが、直後に右折すべき道がない。やむなく、かなり後方(250m)の道を右折して首を捻りながら350m進むと、コンビニがあったので、飛び込んで尋ねると、近辺地図を参考に調べて呉れ、バス停を中心にして、「江南教会」と全く対称の地点に来てしまった事が判明。「バス停直前の道を右折(東へ)」が正しかったのである。
再び、「藤町」バス停へ戻り、読み替えた案内書に基づいて、進んで、「江南教会」へ到着。
全容をカメラに納め、門に近づくと、鉄格子の門が閉まっていたが、レバーを捻ると開いたので構内へ侵入。
お御堂は扉が開いていたので、覗いていると、「なにか御用ですか?」らしい声が別の建物(司祭館)の入り口付近で聞こえ、男性の姿が目に入る。近づいて、用向きを伝え、お御堂の撮影許可を求めると、「構いませんが、わたくし今から出かけますので、施錠するところでした。」との事。
今日は随分きわどいタイミングで幸運が待ってる、と思えて嬉しかった。
比較的、お若い神父様で、「牧野真」とサインして下さってから、名古屋市内のも含め、他教会の署名をご覧になりながら、ご存知の方を思い出しておられた。わたくしも先を急ぐので焦るとともに、牧野神父様もお出かけの処であったので、祈りは帰路にして、100円献金をさせて頂き、早々に失礼させて頂いた。気分の良い神父様であった。
「藤町」バス停へ急いだが、予定の12:13のバスには逃げられてしまった。時刻を調べると、次のバスは12:31である。スケジュール表を確認すると、このバスでも「江南」で乗る予定の電車に間に合いそうなのである。ここでまた幸運が待っていてくれた。最近の路線バスは多少遅れる事はあっても、早くなる事はまず無いようで正確である。
「藤町」発12:31のバスは「江南」へ12:39に着き、「江南」発12:47の犬山線の普通電車「新可児」行きに乗車できた。

6:犬山教会
電車は「柏森」「扶桑」「木津用水」「犬山口」と各駅に停車して、12:59に「犬山」へ到着。
改札を出て東口へ向かう。階段で地上に降り、正面から続く広い道をひたすら750m程歩くと「富岡新町4」信号交差点に到る。これを左折して、250m程進むと、長い登り坂にかかる。200m程登るとV字型に分れる分岐点に着く。分岐点の前方は池であり、釣り糸を投げている若者も目に入る。
ここから右手の方へ100m程進むと右手に小川鉄工所がある筈なのだが、ここでも予想と異なり、民家が密集している上に鉄工所も民家と同じ程度の大きさなので、見当がつかない。小さな畑にいた主婦に聞くと、目の前の家が「小川鉄工所」だと教えてくれたので、その角を右折。鉄工所の入り口門に「小川」と表札があった。そこから道なりに進むと、右手の2階建て民家の屋根の上に十字架が載っているのに気付いた。
事前に野村司教から個人の家を借りているのだと、聞いていたので、興味を持っていた「犬山教会」である。
門を入って直ぐのドアにはチャイムボタンもなく、台所かと思われるところの窓が開いていたので、「ごめんください」と声を掛けるが応答がない。もう一度最初のドアのノブを回してみると、開きそうであったが、念のため、家の周りを進んで見ると、玄関らしいドアがあり、チャイムボタンがあった。ボタンを押すと、暫くしてドアが開き、高齢の婦人が顔を出される。用件を伝え、お御堂を見せて頂きたいと云うと、笑いながら「お御堂はありませんが、祭壇と聖室(ご聖体保管庫?)があるだけですよ。良ければどうぞ。」と上がらせて頂いた。案内に従って玄関を上がると、最初の引き戸の中へ導き入れられた。
庭に面して廊下を挟んだ6畳間か8畳間の中央に祭壇が設置されており、お隣のやはり同じ位の部屋の床の間に立派な聖室が安置されていた。
「楠山寿江子」と署名頂いた婦人のお話では、野村司教に依頼されて、教会にしている由。時々司教が訪ねて下さるとも。また、楠山さんは主税町教会に居られた事もあり、鳴海教会や天使園・修道院にも居られた事があるとの事であった。
ハンカチで汗を拭っているわたくしに「氷をあげましょうか?」とのご親切なお申し出。「先を急ぎますので・・・」と丁重にお断りし、100円献金を祭壇の上へ載せて、辞去した。急坂もあり、想像以上に長い道のりで、帰路所々小走りしながら、「犬山」駅へ急ぐ。どうやら今日は昼飯抜きである。「犬山」駅東口には、登りエスカレータがあり、助かった。

7:小牧教会
小牧線の「犬山」発13:57、「平安通」行きに、発車の3分前に乗車できた。クロスシートへ着座し、発車を待つ。不思議に空腹を覚えないが、この後も腹ごしらえできる時間的余裕は無い。いずれにしても、暑からず寒からず、頬を撫でる風も爽やかで、天候にも恵まれたお遍路である。
電車は定刻に発車、「羽黒」「楽田」「田縣神社前」「味岡」「小牧原」に停まって、電車は地下へ潜り、地下駅「小牧」へ14:13に到着。
改札を出て、バスターミナル4番のりばから14:25発「岩倉」行きの名鉄バスに乗車。定刻に発車したバスは、14:32定刻に「若宮」へ到着、整理券と運賃190円を料金箱へ入れて下車。
自作案内書に基づき、広いながらも車の少ない道路を横断して、進むと公園に突き当り、左折すると、こじんまりした可愛い教会が現れる。
向かいの公園から教会全容を撮影後、教会に入り、司祭不在の様子なので、勝手にお御堂に入り、撮影と祈りを済ませる。再度、司祭館のインターホンのボタンを押すが応答がないので、辞去する。
来た道を「若宮」バス停に戻り、15:00発の名鉄バス「小牧駅」行きで「小牧」駅へ戻る。
「若宮」を発車して直ぐ、右手に大聖堂風の建物とこじんまりしているが、小牧教会よりも立派そうな教会風建物が並んでいたのが気になった。セレモニーホールの様でもあり、プロテスタントの教会なのか、よく判らない。
途中信号待ちの折、バス運転手に「10000円札の場合、運転手さんが両替してくれるのかね?」と聞くと「両替します。」と、1000円札10枚にして呉れた。
犬山教会で、楠山さんが「小牧教会は小牧口駅から歩いても10分程ですから、わたしはいつも歩きます。」と言っておられたので、後日調べたところ、「小牧口」駅から「小牧教会」まで1km程であった。

8:春日井教会
バスは「小牧駅」へ15:08に到着。運賃190円。「小牧教会」への往きに乗車したバス停から15:15発の名鉄バス「春日井駅」行きに乗車。
春日井・高蔵寺・定光寺等の中央線沿線は、わたくしが学生時代目にした客車を引く「デゴイチ=D51」SLが濛々たる煙を吐きながら行く山間の寂しいところの先入観があったが、切れ目ない街路の続く現状に唯々驚く。
15:33、「八田(はった)」へ到着、運賃320円を支払って下車。自作案内書に従い、バスの来た方向へ戻り、橋を渡ったところの「新興橋北」信号交差点を右折し、200m程進むとかなり壮大な「春日井教会」が現れる。
全容写真を撮影後構内に入ると、比較的長い登り階段の上に、お御堂入口はありそうだが、とりあえず、階段左手の司祭館入口のインターホンを押す。中で「ピンポーン」の音が鳴るのが聞こえるものの、応答が無いので、先にお御堂へお邪魔する事にする。階段を昇り、入口でスリッパに履き替え、引き戸を開けて、お御堂へ入ると、ロザリオを繰って居られる高齢の婦人が一人。お邪魔せぬように、撮影と祈りを終え、献金箱へ100円投入、退出する。
階段を下り、再度司祭館のインターホンを押す。反応が無いので思い切って、もう一度押すと、司祭が出て来られたので、用向きを伝え、署名をお願いすると、署名表をご覧になって、「わたしは、主任司祭ではないので・・・」とお断りになるので、「ご不在の時には、シスターや信者の方に代筆して頂いているので・・・」とご無理をお願いすると、記帳欄に半分の空白を残して、サインして下さった。そして、「今、勉強中なので・・・」と中へ入られたので、恐縮しつつ、辞去した。
来た道を戻り、降りた「八田」バス停へ戻る。バスの予定時間まで7分ほど余裕がある。空には、やや厚めの雲が張り出し、にわか雨が心配になる。
正確にやって来た16:05発名鉄バス「春日井駅」行きに乗車。「春日井駅」に16:16定刻に到着。運賃は210円である。
JR中央線「春日井」駅は地上駅で、駅舎へ入ると直ぐ改札があり、「TOICA」カードを自動改札にタッチして、ホームへ出ると、そこが、下りホームである。16:23発の「瑞浪」行き快速に乗車、電車はノンストップで「高蔵寺」へ16:28に到着。

9:高蔵寺教会
階段を降りて、改札を出ると、北口に向かって進む。長い通路の左手に沢山ののりばへ出入りする口があるが、のりばと出入り口の対応が慣れないと判り難い。同じ案内図を見ていた地元の人らしい婦人に、「4番のりばへの出入口はどうやって調べるんですか?」と尋ねると、各出口毎に通路の上からぶらさがっている行燈案内盤を指さしながら、「出口を出たところの のりば番号が書いてあるから、行きたい番号の出口を上がるんです。」と教えてくれた。目の悪いわたくしには、行燈の下まで行かないと、判らない。
確認して、2つ目か3つ目の該当する出口の階段を昇ると既に2台のバスが待機している。階段を昇ったところに停車しているバスの運転手に「烏洞橋(からすほらばし)へ行くバスはどのバスかね。」と尋ねると、「前のバスです。」と教えてくれる。
16:33発の「中央台」経由「高森台北」行きのバスに乗る。着座できたが、ほぼ満席である。発車したバスが、どこの停留所か忘れてしまったが、前のバスの直後に停車し客扱いを済ませて、前のバスの発車を待っているのだが、出て行く気配がない。数分待った後、運転手が「車椅子のお客さんのフォローをしていると思いますので暫くお待ちください。」と断ったのだが、一向に動く気配がない。首を傾げながら、降りて行った運転手が様子を見に行き戻ってきて「まもなく、発車しそうです。」と言ったが、また暫く待たされてから漸く動き出した。
やがて、着いた「烏洞橋」で240円払って降りたものの、事前に地図で調べて作成した自作案内書では「バス停直前で道路を横切りその道を直進」とあるのだが、バス道路は掘割のような自動車専用道路で高い中央分離帯がある上に、交差している道など見当たらない。途方に暮れて、ふと上を見ると、7~8m程上を跨道橋が架かっているのである。そして、バス停脇にそこへ昇るやや急な石段があった。「そう云う事か?」とつぶやきながら昇って、やっと地図の意味が判った。(帰宅後、地図を再確認すると、明確に、跨道橋だと判る表示になっていた。)
随分予定時間より遅れているので、その後は案内書に基づいて、進むものの、かなりきつい登り坂が続いている。200mほどで現れた「高蔵寺教会」の全容写真を撮ってから教会に近づくと、司祭館らしき建物の前で、車を拭いている男性が居たので、「失礼ですが、神父様ですか?」と尋ねると「違いますが、居るんじゃないでしょうか?お御堂は向こうですが、鍵が掛かってますから、こちらから入って行かれれば行けると思いますよ。」との事で、その司祭館らしき建物の入り口へ進んだがやはり施錠されていた。」
トラブル続きで、時間が迫っているので、お御堂は諦め、来た道を急ぐ。跨道橋の手前の石段を降り、バス停へ辿り着くも乗るべき17:02発のバスに逃げられてしまった。
バス停の時刻表を見ると、次のバスは17:44で、40分以上待つ羽目になってしまった。周囲を見渡しても、自動車専用道と跨道橋近辺も団地で、休む処も無さそうなので、幸いバス停前に据えられている廃却ソファの埃を払って、座る。
こう云うトラブルの時、癇癪が起きやすい短気なわたくしへの神様のプレゼントかも知れないと、気を鎮めながら、「天使祝詞」を30回程唱える。目の前の道を信号の間隔に合せたように、周期的に車の集団が通り過ぎては静寂が戻る。時折、「回送」と表示した名鉄バスが通り過ぎるのが恨めしい。気を散らせながらのお祈りに、落語に出て来る生臭坊主のお経を思い出す。お経を唱えながら、「今夜のおかずはなんだろう?」と考えている坊さんの面白さである。
この自動車道の路側帯は歩道になっており、忘れた頃に、自転車や、犬を連れた年寄りや女性が通り過ぎて行く。この辺りでも小型の愛玩犬が多いようだ。通り過ぎながら犬が怪訝そうにわたくしの方を横目で見て行く。お昼抜きだったが、不思議に空腹は覚えない。ただ、長い待ち時間にペットボトルのお茶を大分飲んだ。
最後の瀬戸教会が残っているのと、前後駅から車を運転しなければならないので、アルコールは諦めなければダメ、従って、食事は帰宅後だなあ、等と考えても時間の経つのは遅い。木枯らしの吹く寒い時や、蚊に悩まされるであろう夏場でなくて、良かったとも思う。例年なら暑い日が多い筈の今日この頃だが、この時間になると、爽やかだった風も冷やっこく感じられる。しかし、雷雨の心配も杞憂である。
やがて、17:44を2分ほど遅れて、「高蔵寺駅北口」行きの名鉄バスが到着、17:54「高蔵寺駅北口」へ着く。

10:瀬戸教会
「高蔵寺」で「愛知環状鉄道」の「瀬戸市」までの乗車券(270円区間)を購入し、JRと共用の改札口を通って、1番ホームへ上がる。ここからは成り行き任せで、最後の工程にチャレンジである。次の岡崎行きは18:08発であるが、列車はまだ入線していない。
同じホームの2番線から18:02発名古屋行き普通電車が発車するのと同時に、愛知環状鉄道の終着列車(18:03着)が入線してくる。もう少し時間を早めれば、乗り換え客に親切だと感じた。折り返し「岡崎」行きになるのである。愛知万博当時と比較し、車両が更新されている。
定刻に発車した列車は程なく比較的長いトンネルに入り、トンネルを出ると直ぐ「中水野」に停まり、発車するとまた長いトンネルに入る。トンネルを出るとまもなく「瀬戸市」へ到着する。18:15である。
自作案内書に従って、「水南」信号交差点の次の道を右折して、進むが、教会らしいものが目に入らないので、犬を連れた婦人に尋ねると、「もう少し進むと、あります。あそこに塔が見えるでしょ?あそこです。」と教えてくれる。間違ってなかったと、自信を持って、やや登りになった坂を進んでいくと左手に「瀬戸教会」があった。
神父様はご不在の様子なので、お御堂内の写真を勝手に撮らせて頂いたが、本日始めてフラッシュを使った。日が長くなったとは言え、お御堂内は薄暗くなっていた。献金箱は見当たらなかったので、祭壇手前右のマリア像に供えられた花の横へ100円玉を置かせて頂いた。
同じコースを逆にたどり、降りた「瀬戸市」駅舎の隣りの連絡階段を昇って、名鉄瀬戸線の「新瀬戸」駅舎に入り、ホームに立つと、18:42発の「栄町」行き急行に乗れた。
電車は「水野」「三郷」「尾張旭」「大森・金城学院前」「喜多山」「小幡」に停まり、19:02に「大曽根」へ到着。
階段を降り、再び「TOICA」で中央線「大曽根」駅の改札を抜け、長い登り坂の連絡通路をホームに向かう。ホームに着く頃、19:05発の「名古屋」行きが入ってくる。空席もあり着座できた。
「千種」「鶴舞」に停まり、19:14「金山」へ到着。階段を昇り、名鉄との連絡改札口を抜け、「金山」発19:17の本線急行豊橋行きに乗車、「神宮前」「堀田」「鳴海」と停まり、ここで特急の通過待ちの後発車、19:35に「前後」へ帰着。1日世話になった、名鉄電車の「1DAYフリーカード」の最後の改札通過を終え、駐車場へ向かう。5月1日の脚痛を思い出し、今日の無事に感無量であった。駐車料金800円を支払い、20時前に我が家へ着く。「神に感謝!!」