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2009年7月24日金曜日

相対的神観

 神道の「神」は、本質的に相対的である。如何なる神も「絶対者」ではない。確かに或神、例えば、天照大神を皇祖神として事実上絶対化しようとする傾向は、絶えず見られるが、これは、いわば「信奉者」の願望、若しくは意思であって、概念自体は、常に相対的なものを指している。信仰の内容として見ても、「絶対者」自体に対する信仰は、存在しない。神観が相対的であると言うことは、「他」を抱擁、総合することが至難であり、相手の存在を否定することによってしか、統合できないと言う危険を抱えている。